秋は日中と朝晩の寒暖差が大きくなり、室内でも急激な温度変化が起こるため、結露が発生しやすくなります。
1. 結露対策と断熱・気密性能
結露は、室内の暖かい湿った空気が、窓や壁などの冷たい表面に触れて冷やされ、空気中に含むことができなくなった水分が水滴となって現れる現象です。これを防ぐには、家全体と部分的な断熱性を高め、冷やされる場所をなくすことが最も効果的です。
2. 計画的な換気システム
気密性が高い住宅では、適切な換気システムが不可欠です。室内の湿気を屋外に排出し、新鮮な空気を取り込むことで、結露の原因となる過剰な湿度を下げる効果があります。
•24時間換気システムの活用: 建築基準法で義務付けられている換気システムを稼働させ、室内の湿った空気を常に排出し、新しい空気を取り入れましょう。特に高気密住宅では必須です。
•換気の種類(第1種換気など): 給気・排気の両方を機械で行う換気システムは、湿度や温度の管理がしやすく、より結露対策に効果的です。
3. 秋の快適性向上のためのその他の要素
結露対策に加え、秋の生活をより快適にするための建築的・設計的要素には以下のようなものがあります。
•日射の有効活用(パッシブデザイン): 秋から冬にかけての日差しを室内に取り込みやすい窓の配置や、ひさし・軒の深さなどを設計することで、室温の上昇を助け、暖房費を抑えることができます。
•家具の配置への配慮: 壁と家具の間に空気の通り道を作るため、家具を壁にぴったりつけずに少し離して配置することが望ましいです。特に北側の壁や押入れなどは空気が滞留しやすく、結露やカビの原因になりやすいため注意が必要です。
•湿度管理の工夫: 室内で水蒸気を発生させやすい暖房器具(石油ストーブやガスファンヒーターなど)の使用を控え、エアコンやパネルヒーターなど水蒸気を出さない暖房器具をメインに使うことも結露対策になります。
